埼玉県越谷警察署は、平成25年4月5日、本籍福島県内で住所不定の無職A(男性・21歳)を、著作権法違反の疑いで逮捕しました。
この無職Aは、平成23年4月中旬ころから同年8月上旬ころにかけて、インターネット上で顧客を集め、当機構加盟会社が著作権を有するパソコン用のゲームソフトを、無断でDVD-Rに複製のうえ販売していました。当機構加盟会社3社からの告訴を受けた福島県いわき南警察署が、無職Aを指名手配し、行方を捜していました。
当機構調査部が、インターネット上の違法情報に関して調べていたところ、無料掲示板等を介した海賊版販売の実態を確認したため、福島県警察本部と福島県いわき南警察署へ情報提供を行っておりました。また、福島県警からの要請により、真贋鑑定などを実施し、全面的な捜査協力を行っていました。
■告訴会社 株式会社チャンピオンソフト、他2社
■鑑定実施者 一般社団法人コンピュータソフトウェア倫理機構 事務局調査部
_/_/_/_/_/_/_/ 【調査部トピック】 『著作権法違反で指名手配?』 _/_/_/_/_/_/
今回の事件は、調査部によるインターネット上の調査の結果、海賊版販売が判明しました。ところが、刑事告訴後、被疑者である無職Aが指名手配される展開となりました。
著作権事件で指名手配とは?...聞いたことがないと思う方々が多いのではないでしょうか。
刑事事件において、被疑者が特定されており、かつ、逮捕状が出ている場合で、被疑者の所在が不明もしくは逃亡した際に、事件を担当した警察本部や警察署から全国の捜査機関へ発信される、被疑者の身柄の確保と引渡しの依頼に関する手配のことを「指名手配」と言います。
調査部で過去の事例を確認したところ、加盟会社が著作権事件で告訴し、指名手配された事例が過去に2件ありました。いずれも、警察による捜査から逃れるために、被疑者が逃亡したものでした。今回の無職Aについても、長期にわたり所在が不明であったことから、指名手配が発せられました。
この無職Aは、どんな考えや理由から、所在が解らないようにしていたのでしょう? 海賊版によって告訴会社は甚大な被害を受けました。その訴えから逃れるためだったのでしょうか? 無責任な違法行為の結果、無職Aの身近にいる家族や親類、友人にまで、多大な迷惑が及んだのではないでしょうか?
著作法違反であっても、警察による厳しい捜査や追及があるということ、そして、重い刑事罰があるということを、ぜひ知って頂きたいです。
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