インターネット上において、「プレイ動画」と呼ばれるゲームソフト本編の内容を違法配信し、捜査機関の摘発を受けた東北地方在住の大学生(20代男性)が、平成25年12月12日、著作権者である当機構加盟会社へ、著作権法違反に関する謝罪を行い、誓約書を提出した。
この大学生は、平成25年3月に、当機構加盟会社である株式会社クリアブルーコミュニケーションズ(以下、クリアブルーコミュニケーションズ)が著作権を有するパソコン用ゲームソフト「ハピメア」を、インターネット上から違法ダウンロードのうえ入手し、本編の内容の起動に至るまでの様子を、動画投稿サイトなどへ配信し、不特定多数が視聴できるようにしていた。クリアブルーコミュニケーションズからの相談を受けた当機構事務局では、福島県警察本部サイバー犯罪対策室へ被害相談のうえ、捜査協力をしていた。
この度、福島県警による捜査が終結したことを受け、大学生に直接謝罪させたいという保護者からの強い意向と、福島県警察本部の寛大なるお取り計らいに、クリアブルーコミュニケーションズは懸念を抱きながらも、被疑者の将来を案じ考慮することによりご理解を示し、面会の場を当機構事務局にて設けることが実現した。当日は、当機構事務局にて当事者一同が集い、事務局立会いのもと、大学生がクリアブルーコミュニケーションズへ直接面会のうえ正式な謝罪があり、大学生の保護者であるご両親からも謝罪があった。クリアブルーコミュニケーションズにおいては、謝罪を真摯に受け止めるかたちで、大学生から、今後は著作権侵害行為の一切をしない旨の誓約書が提出された。
被害会社 :株式会社クリアブルーコミュニケーションズ
調査鑑定担当:一般社団法人コンピュータソフトウェア倫理機構事務局 業務部
_/_/_/_/ 【業務部・調査担当トピック】 増える「ネット弁慶」薄れる「モラル」 _/_/_/_/
昨今、インターネット上での誹謗中傷や虚偽情報の書き込み、事実を誇張した不適切な発言、悪ふざけした画像・動画投稿が問題となり、経営等に影響を及ぼすことに止まらず、コンビニエンスストア、ファーストフード店や飲食店の閉鎖に追い込まれる会社も現れています。様々な方面で物議を醸していることは、みなさまもご存知かと思います。
今回の事案は、正規商品を購入していない者が、インターネット上から不正にゲームソフトのデータを入手し、ゲームの導入・起動・本編の内容に至るまで、詳細にわたり動画で実況配信していました。また、不正行為の過程を発信しながら、インターネット上の視聴者を巻込むかたちで、著作権者を言葉で煽り、自らの違法行為を正当化するための発言を繰り返し発信していました。そのため、風評的な被害も含め未曾有のものとなりました。
クリアブルーコミュニケーションズでは、自社へのあまりにも不利益な現実に直面しながらも、正規商品をお買い上げ頂いた大切なユーザー様を第一に考え、また、違法者による行為が生み出す不公平感を払拭することを目的として、違法行為の発見当初から、断固たる強い姿勢で訴訟対応を進めておりました。
さて、現実の社会において、おとなしい人、気弱な人、寡黙な人が、インターネット上で威勢を張り強気な発言を繰り返すことがあります。現実社会における「内弁慶」に近いのですが、このようなタイプの人を「ネット弁慶」と呼ぶことがあります。福島県警による捜査が進むにつれ、大学生による威勢のある発言は無くなっていったことからも、大学生も「ネット弁慶」であったと思われます。
大学生による無責任な違法行為の結果、育ててくれたご両親にまで、社会からの強い批判が寄せられ、恐怖心と不信感を与えました。一般的に20歳を過ぎた人は、社会的にも相応な責任が求められますが、この大学生は、自ら犯した行為に責任を負うことが出来ませんでした。しかし、違法行為の全てが免れるものではありません。警察による厳しい捜査や追及に止まらず、大学生は様々な制裁を受けるかたちで、身を持って社会の現実と厳しさを知ることになったのです。
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